僕の中の二大青春漫画『さくらの唄』『昭和の中坊』に通ずる、青春の蹉跌が描かれた小説でした! はらだみずき著『帰宅部ボーイズ』。
はらだみずきさんの作品は、『サッカーボーイズ』シリーズをはじめとするサッカー小説はだいたい読んでいるんですが、それら以外に手をつけるのは初めて。
読み始めは、「やっぱ『サッカーボーイズ』のほうがいいな〜」と物足りなさを感じましたが、『帰宅部ボーイズ』メインキャラの、クラスの日陰者具合に共感し、ページをめくる手が止まらなくなりました。
描かれているのは、現在45歳の僕より、もうちょっと上の世代の中学生時代。校内暴力などの“ヤンキーエッセンス”も盛り込まれており、ワクワクしながら楽しみました。
思うようにいかないけど、振り返るとなんだか輝いていたあの頃……。自分の中にもあったような、また、もっとドラマチックなままならなさを、主人公たちと一緒に体験できます。